金曜日, 6月 01, 2007

■空海のマンダラとは何か

空海のマンダラとは何か




金剛界マンダラ
正面に一千五百体、背後に三千体
と仏の数は四千五百体
画面の構成は、仏たちのすべてが
九つの枠に幾何学的に並んでいる。









胎蔵界マンダラ
中心部に密教主仏の大日如来を中
心にして限られた仏がそのまわりを
囲んでいる。
一見して完成した整いを感じさせる。






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■マンダラの見方(1) 
「空海秘伝」寺林峻氏
   (東洋経済新報社)      
                      
「人はとかく全体の中に埋もれるか、我を通して寂しく孤立するしかありません。しかし曼陀羅は人が個々のいのちを輝かせながら全体につながって生きようと励ましてくれております。そのためにどのいのちも他のいのちと磨きあい、照らし合って輝いております。
人の社会も曼陀羅のようであれば、どんなにいいかと思います」
阿闍梨(あじゃり)
「そなたの観察はまことに正鵠を得ている。さように曼陀羅を貫く原理を私は一即一切、一切即一と見ている」

「胎蔵曼陀羅の真ん中に描かれた大日如来は他を従えて君臨しているように見える。ところがそうではなくて他の一つひとつの仏が大日の働きを分担してこなしてくれているから、自分が如来の地位に安住できていると知っている、それが一切即一。

一方、大勢の仏は大日の働きの一部を分担しているだけだが、それを完全にこなすことで、じつは大日如来と同じように自分を完成させて仏の状態になっている、それを一切即一という」

空海は「人の集まる場も、そうあるのが望ましいのでしょう」
と感想をもらし、太龍岳などでの虚空蔵求聞く持法を行ったことを話した。
(個と全体、ホロン・ホロニックのことですね)

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■マンダラの見方(2)
鳥居礼氏「宇宙原理ホツマ」による曼陀羅とは

胎蔵界曼陀羅には、大乗仏教の中で取り入れられた仏や菩薩が多数取り入れられ、星宿神やヒンズー教の神々まで描かれています。それは宇宙の森羅万象を包括するとされることから、《宇宙母胎》としての母性原理を見いだすことができる。

金剛界曼陀羅は、大日如来を中心とする、密教独自の三十七の仏、菩薩が選ばれ配置されています。数多くの仏菩薩の中から三十七尊を選別し、大日如来以外の三十六尊を四つの仏界に分け、整然と組織化したという点において、冷厳な不正原理をあてはめることができます。

しかし、このような両界曼陀羅に対する原理づけは、もともとのインドなどにはなく、日本で空海が考え出したと言われています。

そこで、胎蔵界を、宇宙の万有を内包する《宇宙母胎》としての胞衣(えな)の中にあって、天上の言霊四十九神の啓示を受信する地上「高天の腹」にあてはめ、
金剛界を、始原神アメミオヤノ神の周囲に整然とした宇宙原理によって、フトマニ図のごとく配置された四十八神の鎮座する天上「高天の腹」あてはめれば、両者の間には、明確な共通性を認めることができるでしょう。

空海は十種神宝(とくさのかんだから)をはじめとする日本の古神道に精通していた点、あるいは「高天の腹」の整合性の高い原理性などを考慮すれば、天上・地上の「高天の原」の二重構造の観念がもともと我が国に存在していたが故に、両界曼陀羅が、日本密教においてかくも尊重されるようになったのではないかと推測されるわけです。

胎蔵界の中央部である《中台八葉院》は、大日如来を中央に周囲に八菩薩を配しており、ホツマの「フトマニ図」のアメミオヤ神と周囲を取り囲むトホカミエヒタメの八御小神(やみこ)の構造と類似することが注目されます。
また金剛界の九つの仏界もやはり中央の成身界の内部もそれと共通する構造性を有しているといえましょう。

このように、日本の「フトマニ図」や「高天の原」の宇宙原理と、両界の曼陀羅には根元的な共通性があるように思われます。

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八咫の原理図
  フトマニ図











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